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執筆者の写真古庄 正臣

暖房需要(Heat Demand)について

更新日:2023年9月30日

パッシブハウスの認定基準の一つ、「暖房需要」について説明します。

年間暖房需要とも言われますが、1年間に必要な暖房エネルギーをkWhで示したものです。建物の大きさを考慮して1㎡当たりの値となっています。

kWh(キロワットアワー)とはどんな値なのか?

kWhはエネルギー消費量を表す単位で、k(キロ=1000)とW(ワット=J/s)とh(アワー=1時間=3600秒)を掛け合わせた単位です。


例えば1000Wのマークがついたドライヤーを1時間使うと

1000W→1kW

1時間→1h

1kW × 1h = 1kWh

1kWhのエネルギー消費量となります。

ちなみにJジュールもエネルギーの単位としてよく使われますが、1kWh = 3.6MJ です。

パッシブハウスでは15kWh/㎡a以下が基準です。これは床面積が100㎡(30坪程度)の家の場合、1500kWh(15×100=1500)となります。と言うことは、ドライヤー1500時間分と言うことです。


1日は24時間なので1500h ÷ 24h = 62.5日分です。一年のうち暖房が必要な期間は2ヶ月以上ありますよね。要するにこの基準は暖房器具はドライヤーよりも小さいもので足りるという基準なのです。


暖房コストの面からも考えて見ましょう。

今どきの暖房はエアコンです。例えば6畳用エアコンは2.2kWの能力がありますから当然ドライヤーより能力があるので問題ありません。ポイントはkWから¥にどう換算するかです。(当社の場合2023年8月分は25,777円/891kWhでした。)1kWhあたり約29円です。

1500を掛ければ1500kWh × 29円 =43,500円/年 となりますが、ちょっと待ってください!

エアコンは消費電力の4倍の暖房能力があります。ですから4で割ってください。

暖房需要が1500kWhであれば消費電力はその1/4で375kWhになります。(なんと、当社の半月分の電気代以下)

375kWhに29円を掛けると10,875円となります。

1年間の暖房のための電気料金が約1万円と言うことです。

注意してください!これは一室だけの話では無く、全館暖房を行っての金額です。


暖房需要だけの話にはなりますが、これだけでもその基準の高さがうかがえます。





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